金澤翔子展・上野の森美術館

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今日は金澤翔子さんの個展を拝見しに上野に一人行ってきました。ダウン症の書家という事でテレビでの密着の様子を拝見したことがあります。書家のお母様と二人三脚で頑張って来られた作品とそのお姿を見に大勢の方がいらしてました。今回は彼女の代表作が多く展示されるとの事、私も楽しみにしていました。会期中、翔子さんご本人とお母様が連日いらっしゃっていて今日も詰め寄る皆さんにご挨拶、サインなど忙しく対応なさってました、お二人とも思っていた以上に小柄で柔らかい雰囲気の方でした。

通常の書展より、高齢者の方、またハンディキャップのある方が多く書道に親しくない方も多い様に感じました。ダウン症のお子さんとお母さんも数組お見掛けしました。皆さん、口々に本当に「力強い字に感動する」「涙が出る」と感想を述べながらじっくり見ていらっしゃいました。翔子さんの字は一文字が一メートルくらいのサイズなので本当は距離をとって拝見したかったのですが、すごい混雑の中、見ている皆さんの熱気と墨の匂いが充満してこんなライブ会場の様な書展は見たことないなあ。と思いました。

この作品は翔子さんが10歳の時。お母様と連日必死に書かれたものです。これは一番ぐっときました。書くほうも書かせる方も大変。根性。泣いても書く。書かせる。ダウン症の子でも出来ると信じて練習してきたその親子の日々が見える強い作品だと思いました。

個人的に一番見たかった大河ドラマの題字(平清盛)。これ、数年前ですね、テレビでタイトルバックみた時から素敵だなと思っていました。実際、思ったよりサイズの小さな作品でしたが、本物はさらに素敵でした。

技巧ばかりではこんなに人の心を打たないのだろうし、翔子さんの人柄と努力に明るい気持ちを貰って帰る方は多いのでしょうね。ダウン症が注目されてしまいますが、素敵な作品が多く見ごたえのある書展でした。

-郷田のひとりごと

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